手作り陶器のお手入れ方法

手作りの陶器のカップとボウルが木製のテーブルに置かれており、柔らかな光が当たっています。手入れの行き届いた、温かみのある印象.

手作りの陶器は、その一つ一つに作り手の想いと技術が込められた美しい作品です。適切なお手入れをすることで、その美しさと機能性を長く保ち、日々の生活に彩りを添え続けることができます。このガイドでは、あなたの大切な陶器を長持ちさせるためのヒントをご紹介します。

手作り陶器の「するべきこと」と「避けるべきこと」

手作りの陶器は工業製品とは異なり、繊細な取り扱いが必要です。基本的なルールを守ることで、思わぬ破損を防ぐことができます。

するべきこと (Do's)

  • 手洗い推奨: ほとんどの陶器は手洗いが最も安全です。柔らかいスポンジと中性洗剤を使用し、優しく洗いましょう。
  • 乾燥: 洗った後は布でしっかりと水気を拭き取り、完全に乾かしてから収納してください。
  • 釉薬の種類を把握する: マットな釉薬は油分を吸収しやすい傾向があるため、色の濃い食品や油分の多いものを入れた後は早めに洗いましょう。光沢のある釉薬は比較的頑丈ですが、傷には注意が必要です。
  • 衝撃を避ける: 硬い表面にぶつけたり、落としたりしないように注意してください。

避けるべきこと (Don'ts)

  • 急激な温度変化(熱衝撃): 冷たい陶器に熱湯を注いだり、熱い陶器を急に冷水に浸したりすると、ひび割れの原因になります。電子レンジやオーブンから出した直後の取り扱いには特に注意してください。
  • 食洗機: 手作りの陶器は食洗機の強力な水流や高温洗浄に適さないことが多いです。破損や釉薬の劣化のリスクがあるため、避けるのが賢明です。
  • 電子レンジ・オーブン: 金彩や銀彩が施されている陶器は、電子レンジに入れると火花が散り、危険です。また、電子レンジやオーブン対応ではない陶器の使用は避けましょう。裏面に表示があるか確認してください。
  • 研磨剤入り洗剤・硬いタワシ: 表面の傷や釉薬の剥がれの原因となるため、使用しないでください。

特殊な釉薬のお手入れ

釉薬の種類によって、お手入れのポイントが異なります。

  • マット釉: 表面が多孔質のため、油や色素が浸透しやすいです。使用後はすぐに洗い、シミを防ぎましょう。頑固なシミには、重曹ペーストを試すこともできますが、目立たない場所で試してから行ってください。
  • 光沢釉: 比較的お手入れが簡単ですが、金属製のカトラリーなどによる擦り傷がつきやすいです。保管の際には、他の食器と直接触れ合わないように注意しましょう。

小さな欠けの修理と寿命

金継ぎで美しく修理された陶器のボウル。欠けが芸術的な線で強調されています.

小さな欠けやひびは、陶器の歴史の一部でもありますが、使用頻度の高いものや口に触れるものは衛生上、修理を検討するか、観賞用として使うことをおすすめします。

  • 金継ぎ: 日本の伝統的な技法で、欠けた部分を漆で修復し、金粉で仕上げることで、器の新たな美しさを引き出します。プロの金継ぎ職人に依頼することをお勧めします。
  • エポキシ樹脂: 日常使いではない観賞用の陶器であれば、市販のエポキシ樹脂系の接着剤で応急処置が可能です。ただし、食品に触れる部分の使用は避けましょう。

どんなに大切にお手入れしても、陶器は永遠ではありません。愛着を持って使ってきた器が修理不能なほどに傷んだ場合は、その役割を終え、新たな出会いを待つ時かもしれません。

手作りの品と長く寄り添う

手作りの陶器は、大量生産品にはない温かみと個性を持っています。日々の食事やお茶の時間に、その存在を感じるたびに、私たちはものづくりの豊かさを再認識します。適切なお手入れを通じて、あなたの手元にある陶器が、これから先も長くあなたの日々を彩り続けることを願っています。

Origa Earthでは、陶器のお手入れに関するご質問も受け付けております。お気軽にお問い合わせください。